着物の着付け教室を三重県名張市で営む、通称“つむじのうっちゃん”(以後、つむじさん)。今回、彼女にいろいろとお話を伺った。
2015年11月に自宅で着付け教室を始めたつむじさん。コンセプトは『楽ちん・きれい・着崩れない』。スタンダードな着方はもちろん、普段着でも着物を着るというところを大事にし、生徒さんと一緒に着物な日々を送っている。
着物リサイクルショップで見つけたアンティークな着物
つむじさんが着物を着るようになったきっかけは、滋賀のキモノ屋tentoで見つけたアンティークな着物。あるとき浴衣を探しにアンティークやユーズドの着物などが売られているキモノ屋tentoに行ったのだそう。「そこに行ったら着物がすごく安くて、もともと古き良き時代のものが好きやったんで、これやったら洋服と変わらん値段やし、着れるんちゃうんって思ったんです。」
そうして、着物を手に取り、徐々に興味を持ち始めたつむじさん。初めは着物を着付けることができる母親に頼んで、着付けをしてもらっていたそうだが、着付けをしてもらっているうちに母親に頼らず、“自分が好きなときに着物を着たい”という思いが強くなっていったのだそう。そんなとき、着物イベントで奈良で着付けの先生をしているヒメノルミさんに出会い、この人に着物を教わりたいと思ったのだという。
「いわゆる“着物”っていう枠でなく、“お洒落着”の枠としての着物があったんです。」
ヒメノルミさんが提案する着物は敷居が高いというイメージを取っ払った“普段着で着物を着る”という着方で、つむじさんはそこに共感し、ヒメノルミさんの教室に通い始め、着物のイロハを学びながら、着物の魅力に引き込まれていった。
着物を洋服のように楽しむ
つむじさんの着物は見ていてわくわくする。そんな印象を受けるのは私だけではないはずだ。
着物を着るためには、着物、帯、帯締め、紐など最低限必要なものがある。
着物には洋服でいう半袖といったものがなく、すべて同じ形をしており、着物や帯の仕立て方や素材、色、柄で違いを出し、その場の雰囲気に合わせたり、春夏秋冬などを楽しむ。
つむじさんの着物は、昔のものから新しいものまで、さまざまなアイテムを組み合わせて構成されている。
着物自体もこれがアンティークなのかというほど可愛い柄の着物もあり、見ているだけで楽しむことができる。最近では家で洗濯できる可愛い着物などもあるのだそう。
美術館に行くとき、友達とお茶するとき、そのときどきのシーンに合わせて着物を変えていく。つむじさんの着物はまるで洋服だ。こういうと、つむじさんに怒られるかもしれない。つむじさんの中では洋服も着物も同じ“服”というジャンルなのだ。着物に帽子も合わせるし、靴だって履く。本当に何でもありなのだ。そしてきっと、そういった時間軸や概念を取り払った“何でもあり”なところがわくわく感の正体なのだろう。
「着ることも大切やけど、昔の出来事とかを知ることもすごい大切と思ってる。柄に意味があったりするからその当時の時代背景を知ることもできて、これも着物の楽しみ方の一つで大事」と語るつむじさん。ただ着物を合わせるだけでなく、本などを読み、昔の着物についてや誰が作ったのかなどの勉強もしているのだそう。“古きをたずねて新しきを知る”。まさに温故知新の精神を感じた。
みんな、着物を着よう!
地元名張で着付け教室をしているつむじさん。もっと名張に着物の楽しさや魅力を広めたいのだという。つむじさんの着付け教室では体験や見学なども行っており、簡単に着物に触れられることができる。もちろんプライベートレッスンも行っている。全9回、自分にあったペースでの受講が可能だ。着物レンタルも行っているそうなので、お気に入りの帽子や靴と合わせて名張の街を歩いてみるのも楽しそうだ。
プロフィール
つむじのうっちゃん
三重県名張市出身。奈良の着物着付け師ヒメノルミと出会い、着付けの世界に足を踏み入れる。その後、2015年11月に地元名張に着付け教室を開業。
名前 | つむじ着付け教室 |
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住所 | 三重県名張市蔵持町 |
メールアドレス | tsumujitsumujitsumuji@gmail.com |